From:萩原 敬大(はぎわら たかひろ)
今日は、ほとんどの起業家(マーケッター)が見過ごしている、売上UPに効果的な施策「ネーミング」についてのちょっとしたヒントをご紹介します。実際、商品のネーミングを変えただけで(商品自体はいっさい変えなくても)売上が大きく伸びた事例はいくつもあります。その1つをご紹介すると…
「ネーミング」を変えただけで売上が6倍になったアノ商品
緑茶飲料のパイオニアで、今や26年もトップシェアを取り続けている、伊藤園の「お~いお茶」。実は、この商品の元々の名前は、、「缶入り煎茶」だったそう。改名する前は「まえちゃ」や「ぜんちゃ」などと読み間違えられることも多く、あまり浸透しなかったそうです。しかし、テレビのCMで俳優が口にした言葉をヒントに、親しみやすさを重視して「お~いお茶」というネーミングに変えたところ、、売上は6倍の40億円を超えるまでになりました。
あなたがどのような商品(もしくはサービス)を扱っているかわかりませんが、、
・表からは見えないような裏地の部分や、とにかく細部までこだわり、いい製品を作る。
・素材はすべて国産の無農薬野菜を使って、お皿もこだわって、美味しい料理を作る。
・お客さんにリフレッシュしてもらえるように、いい設備を揃えて、施術の腕を磨く。
でも、、
肝心のネーミングは、最後の最後に「まあ、こんな感じでいいか!」と、エイやで付けてしまう。そして、頑張った割に意外と売れない。。??これって結構やりがちなことじゃないかと思うんですが、、あなたはどうでしょうか?実は僕たちもたくさんのコンテンツを作っていると、ついついネーミングに気が回らなくなってしまい、社長の小川に注意されることがよくあります。。(特に僕たちのようなコンテンツを売っている場合は、形がなく、ネーミングやデザイン意外に判断できる要素が少ないので、なおさら重要なのです…)
良い名前は、商品の価値を10~100倍にも高める
デジタル商品の販売において、10年間で総額100億円以上を売り上げてきたエベン・ペーガンはこのように言っています…
”「考え抜かれたネーミングはあなたの商品の知覚価値を大きく増大させる。名前がなければ、それはどこにでもある1つのアイデアに過ぎない。良い名前は、商品の価値を10?100倍にも高める。いい名前が思いつかないなら、いくらでも時間をかけて考えるべきだ。」”
実際に、このエベン・ペーガンが売って大ヒットとなった商品の中には、
3か月かけて考え抜いてネーミングをつけたものもあるそうです。
人間の脳は耳で名前を憶える
これは米国のとある有名セールスライターが言っていたことですが、、人間の脳は目ではなく耳で名前を憶えるため、変わった文字や、かっこいい文字で興味を引こうとしても意味はないそうです。
その理由として、人間の脳には「オン・イン・ループ」という機能があり、
何かを耳にすると、それが頭の中を5秒間跳ね回ります。そして、その間に脳がそれを捨てるか、記憶するかどうかを決めます。よって、特色のない音や、興味深くない音は即座に排除されてしまうので、
名前については音や響きに焦点を絞らなくてはならないそうです。
そこで、この脳の機能を利用したあなたの商品(サービス)のネーミングを、一度聞いたら忘れられないものにするためのちょっとしたテクニックを1つご紹介します…
記憶に張り付くネーミングを作るコツ:「韻を踏む」
先ほどの脳の機能を利用すると、、「韻」を踏んだ音(繰り返しの音)というのはとても興味深く、はるかに記憶されやすくなる。と、エベン・ペーガンは言っています。
そして、その「韻」にも2つの種類があります。
①頭韻:各単語の頭を同じ音にする。
「コカ・コーラ」を例にとると、、「コカ」の頭の母音は「お」で、「コーラ」の頭の母音も「お」なので、一致しています。
②脚韻:各単語のお尻を同じ音にする。
またしても「コカ・コーラ」を例にとると、、「コカ」のお尻の母音は「あ」で、「コーラ」のお尻の母音も「あ」なので、一致しています。
このどちらか一つ、もしくは両方の韻を踏んでいれば、音の響きの観点ではとても覚えやすい、最高のネーミングということになります。そして、、この「コカ・コーラ」というネーミングは①頭韻と②脚韻が両方揃っている、まさに記憶に張り付いて離れない、ベストなネーミングなのです…
そしてこれは、よくよく調べてみると、売れている商品、売れているブランド名には、当てはまっているものが多いことに気づきます。
例えば、、お気づきでしょうか?...
そうです、最初に例に出した「お~いお茶」です。実はこれも、「おーい」の頭の母音は「お」で、「お茶」の頭の母音も「お」なので、きちんと①の頭韻になっているんです…
その他の例で、パッと思いついたものをあげると、、
・①②が両方揃っているもの
「グー/グル」
「マクド/ナルド」
「マグネティック/マーケティング」(100億円以上売れた、ダン・ケネディ最大のヒット商品)
・①頭韻が揃っているもの
「スター/ウォーズ」
「ポケット/モンスター」→(「ポケ/モン」と略しても揃う…)
「ドラゴン/ボール」
「ANA(アナ)」(エー/エヌ/エーでもいけますね。)
「アイ/マック」
「アイ/パッド」
「ハイパワー/マーケティング」(ジェイ・エイブラハムの代表作)
・②脚韻が揃っているもの
「ド/コ/モ」
「カップ/ヌードル」
「マック/ブック」
「ブラック/ジャック」
「金持ち父さん/貧乏父さん」
どうでしょう?とても覚えやすい響きになっていると思いませんか?
実はリッチも…
この記事を書くまで気づかなかったのですが、もしかしたら、、と、リッチの商品を分析してみたところ、驚きの事実が分かりました。これまで億を超える商品をいくつも生み出してきたリッチですが、特に売れている商品のネーミングを見てみると…
・①②が両方揃っているもの
「ファウンダーズ/クラブ」
「ストラテジック/プロフィッツ」
・②脚韻が揃っているもの
「ビジネス/グロース/システム」
「D3(ディー/スリー)」
「インターネット/ビジネス/マニフェスト」(ビジネス以外)
と、こちらもきっちり計算して作られていたことが分かりました…
もちろん売れるネーミングの要素というのは、この「韻」だけではないので、なかにはヒットした商品でも当てはまらないのもあります。でも、記憶に残りやすいネーミングという意味では、とても重要な要素だということがお分かりいただけたでしょうか?(これはキャラクターの名前とか、人名、会社名をつけるときにも使えます。)
もしあなたが、これまであまり時間をかけずにネーミングを決めていたなら、、この要素を取り入れて、じっくりネーミングをつけ直してみてはいかがでしょうか?
萩原 敬大
PS.(追記)
ねんねね様、コメントありがとうございます。
「ストラテジック/プロフィッツ」 → ①②が両方揃っているもの
全く気付きませんでした、、こちらこそ素晴らしい気づきをありがとうございました^^
PPS.(追記)
e347様、頭韻と脚韻のご指摘ありがとうございました。