From: 萩原敬大(はぎわらたかひろ)
”「ニッチ市場は成長するに従い、時間とともにさらに分割される。これはビジネスの自然な力である。これはあらゆるビジネスにおいて生じる。インターネットマーケティングでも変わりはない」
これは、リッチの書籍:「マニフェスト」の中で、世界的トップクラスのダイレクトマーケティング企業の創業メンバーの一人、マイケル・マスターソンが語った言葉です。
今日は、「マニフェスト」の内容の一部を解説しつつ、この「ニッチ」という概念に関連して、たとえあなたが今どんな状況であっても、競合を遠ざけ、自分の市場でトップとして認知されるためのコンセプトについてお伝えします。もしあなたがこの方法でベストな市場を見つける(作り出す)ことができれば、そこからあらゆるメリットを受け取ることができるでしょう…
なぜ、次々とニッチ市場が生まれるのか?
冒頭のマスターソンの発言にもあった通り、まず、なぜニッチ市場は時間とともに分割されるのか?ということについて考えていきたいと思います。その原因となるのが、、
「専門的知識を得ようとする消費者の欲求」です。
「エントロピーの法則」という熱力学の原理と重なりますが、、1つの市場ができれば、時間が経つにつれ、そこに参入する競合が現れ、より競争は激しくなります。そうすると、消費者にとっては情報(比較対象)が増え、どれを選べばいいのかわからない、、選ぶ時間もない、、という状態になり、
自然と、消費者は専門家やベテラン、その市場でトップの人を求めるようになります。(なぜなら、私たちは、専門家やベテラン=小さな分野に多くの時間を費やしているから、よりその分野について詳しい知識があり、その問題をもっとうまく解決できるだろうと考えるからです。)
そして、この流れは、インターネットの進歩が進んで、世界中のお客さんに対してリーチすることが可能になったことで、どんどん加速していて、、至るところで新しいニッチ市場、小さなニッチ市場が出現するようになっています。
これはわれわれ起業家にとっては、予算がなくても、すごく安いコストで市場に参入することを可能にしてくれたり、競合のいないニッチ市場を作ることができたりと、追い風になるものです。しかし逆に、消費者の欲求を見極めることができず、ニッチをうまく見つけられなければ、、そして、見つけたニッチのリーダーとしてのポジションをしっかりと固めることができなければ、、誰でも簡単にその市場に参入できるがために、激しい競争に巻き込まれてしまう危険性も高くなっているのです…
勝てるニッチの作り方
では、どのようにして勝てるニッチを探せばいいのかということですが、そのキーワードになるのが「サブニッチ」という言葉です。リッチはこのように言っています。
”「まずはたくさんのニーズがあるところ、人が集まっているところを選ぶ。そして、、その中からまだ誰も入っていないサブニッチを獲得するか、次の分割が生じる場所を把握して、先にそのサブニッチに入ることだ。」”
ちょっとこれだけだとわかりにくいので、実際にリッチがアメリカの「インターネットマーケティング」の市場でやったことを見ていきましょう。
かなりざっくりではありますが、インターネットマーケティングの集客に絞っても、PPC広告、ソーシャルメディア、アフィリエイト・・など、いろいろあります。
これをさらに細分化すると、、サブニッチと言われるもっと小さな市場ができます。まあそれでもまだまだ大きな市場ですよね?なので、、
これを消費者の欲求のあるところ、市場として成り立つところ、あなたの強みが提供できるところのにさらに分割していくと、、もっと詳細なサブニッチというカテゴリができます。このように、まだ誰もやっていないけどニーズのありそうなカテゴリ、サブニッチへと分割できそうなカテゴリを探すことで、あなたはその市場でトップのポジションを確立することができます。
実際、、リッチの場合も最初からインターネットマーケティングという大きな市場で、エキスパートとして認知されていたわけではありませんでした。実は最初に彼が目指したのは、インターネットマーケティング市場における「ビジネス戦略構築」のエキスパートだったのです。まず小さなところ(サブニッチ)でトップを取り、それから認知を広げてインターネットマーケティングのエキスパートというふうに知られるようになっていったわけです。
(このようなサブニッチ市場において第一人者、専門家の地位を確立することを、リッチは独自の呼び方で「メイベン」と言っていますね。)
そのほかのリッチから教えを受けたクライアントの事例にしても、、マイク・フィルセイムは、インターネットマーケティングの集客の中の、「口コミマーケティング」においてメイベンの地位を確立し、当初150万円程度だった月商を1億円まで伸ばしました。
ジェフ・ウォーカーは、インターネットマーケティングの集客の中の、「プロダクトローンチ」においてメイベンの地位を確立し、1つの商品だけで20億円以上という記録的な売上を上げたり、そして、ペリー・マーシャルにしても、インターネットマーケティングの集客のうちPPC広告の、さらに細分化した「グーグルアドワーズ」においてメイベンの地位を確立し、有名人になりました。
どうでしょうか?いきなりインターネットマーケティングみたいな大きな市場のトップ・・なんてのは無理でしょうが、このサブニッチの考え方を使って、市場を細分化していけば、あなたでも勝てる場所が見つかると思いませんか?
資本ゼロから独自のサブニッチを作った事例
さらに嬉しいことに、最近ではインターネット(特にソーシャルメディア)の普及で、ソーシャルメディアを組み合わせることで、大きな会社と比べて資本や知名度のない個人であっても、、誰もが簡単に独自のサブニッチを作れる時代になってきたなーと感じています。
事例1:化粧・メイクのHow to
女性向けの化粧のHow toの例では、化粧品会社の美容部員やメイクアップアーティストなどのプロを始め、女性誌などでも死ぬほどたくさんの特集や本が出ているくらい大きなニーズのある市場ですよね。
それがYouTubeの台頭によって、様々な年齢層の女性が、より手軽に、より詳しく化粧の仕方を学べるようになりました。そこで出てきたのが、普通の女性に化粧の仕方を教えたり、化粧品のレビューをYouTubeの動画で行うユーチューバーたちです。
中でも、世界でトップクラスに有名になったのがミシェル・ファンという人で、毎日のようにメイクの仕方を撮影した動画を投稿した結果、多くのファンがつき、
若干29歳にして年収3億5700万円を稼ぐそうです…今では大手の化粧品会社「ランコム」とタイアップしたり、オリジナルの化粧品を作ったりと、より大きな市場へと活躍の幅を広げています。
日本でも、この分野では佐々木あさひさん、関根りささんなど、特に元々有名人でも、アイドルでもない普通の人たちが普通の女性たちにメイクを教えることで、人気者になっています。
また、この人は元々タレントだったようですが”ざわちんさん”なんかも、「有名人のものまねメイク」という新しいサブニッチを作り出し、ブロガーとして1日で859万アクセスを集めたり、情熱大陸に出演するようになっていますね。これなんかも目の付け所が面白いですよね。
事例2:料理のレシピ
料理の作り方、レシピについても、朝のテレビ番組の中に必ずコーナーが組まれていたり、3分クッキングなどの番組だったり、雑誌が出ていたり、お料理教室があったりと、、とても大きな市場がありますよね。
これらは主に毎日の献立に困っている主婦向けに作られたものですが、最近ではそのニーズの変化とともに色々なサブニッチが出てきています。中でも最近の時代の流れを反映しているなーと思ったのが、
”SNS映え”する料理を作りたい。というニーズです。
SNSの中でもInstagramなどは女性のユーザーが多く、主に写真を投稿して楽しむので、、可愛いキャラ弁の作り方、SNS映えする盛り付けのテクニックなど、自然とそういうニーズが高まっているみたいですね。
動画と料理はすごく相性がいいので、YouTubeを使えば誰でも動画を投稿できるようになったのも大きいですが、この分野で世界的に有名になったのが、ロザンナ・パニシノさんです。彼女は独学で料理をマスターした普通の女性なんですが、SNS映えする変わったパンやケーキの作り方をYouTubeにアップしていたところ、人気に火がつき、
734万人のフォロワー、31歳にして年収3億円を稼ぐまでになっています…
彼女も今では、オリジナルのレシピ本を出版したり、キッチン雑貨のWILTON社とパートナー契約を結ぶなど、SNS映えするパンの作り方から始まって、もっと大きな市場へと活躍の場を広げています。
あなたの市場は?
今日は、あなたの今いる市場、もしくはこれから起業しようという方であれば、狙う市場をもっと細分化していくことで、、その市場のトップに立てる”サブニッチ”という概念を紹介してきましたが、いかがでしたか?
あなたの今いる市場(もしくは狙っている市場)のサブニッチが浮かびましたか?ここを見つけるポイントとして、まずはあなたが情熱を傾けられること、世界一になれる強みは何かを明確にすること。そして、アンケートをとったり、直接話を聞いたり、検索キーワードを調べることで、あなたのお客さんのニーズを収集し続けることが大事です。
今では様々なSNSやブログ、YouTubeなど、ほとんどお金をかけずにサブニッチを作れる土壌が整っています。ぜひこういったメディアも有効活用しながら、あなただけのサブニッチを作る第一歩を踏み出してみてください。
萩原 敬大