（＊いつも結構ヘビーな記事を書いていますが、、海外出張帰りということもあり、、今日はちょっとライトなテーマで書くことにします。）
From：萩原 敬大（はぎわら たかひろ）
「明日の朝に診察があるから、私はどうしてもこの便で帰らないといけないんだ！」と、、半ば叫びながら訴える1人の乗客を、警察官が力づくで抑え込み、機内から引きずり降ろしていく… これは、つい先週起きたユナイテッド航空の事件で、、SNSに投稿された動画の一部始終です。
僕は、ちょうどその前日に、ユナイテッド航空に乗ってアメリカから帰ってきたばかりだったので、、このニュースが話題になっているのを知り、かなり驚いたのを覚えています。
1つこういうことが出てくると、、今の時代は、悪い意味でどんどん注目が集まるので、結婚式に向かうカップルを無理やり飛行機から下ろしたとか、乗客の頭にサソリが落ちてきたとか、、賄賂を受け取ったとか、、、芋づる式に悪いニュースが明るみに出されてしまいますね。
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その結果、ユナイテッド航空の株価は一時急落し、一瞬で1,000億円以上の時価総額を失ったとさえ言われています…
現代のマーケティングは信用・信頼が第一
これはまさに、リッチ・シェフレンが「メイベン」というオンラインセミナーで予言していた通りの時代になってきていることを意味しています。そこで紹介されているマーケティングの4つの新ルールというのが、、
・コミュニティの口コミ、シェアの力には勝てない。
・あなたは人を騙せない
・あなたに隠れる場所はない
・あなたの秘密は必ず暴露される
というものなのですが、、まさに今、SNSがインターネットのコミュニケーションの主流になり、良い評判も、悪評も、すぐに広まる時代になっています。どのサイトにも顧客の「レビュー機能」が搭載され、その良し悪しを参考にします。たとえ販売者がどんなに良い宣伝文句を書いても、、広告を出しまくったとしても、、上の4つに反していたら一発アウト。なんてこともザラにあります。
日本でも、ピザ屋の冷凍庫に入った写真を従業員がアップして炎上したとか、従業員がバイト中にSNSで変な投稿をして、店が潰れたとか、、かなり恐ろしい話があるので、ここについては僕も、あなたも気をつけないといけないところですね。
でも、、、実は今日はこれが本題ではありません。僕がユナイテッド航空の事件を見て思ったこと、そこから学べることで、あなたにお伝えしたいことは他にあります。それが…
消費者目線と起業家目線
についてです。
これは、
以前のブログで紹介した、起業家としての「気づきの感度の高さ」がビジネスの成功を左右するということ。
全ての人の目の前に、平等に起きている出来事（言い換えればチャンス）に対して、起業家として、自分は何に気づくべきか？ 何を感じるべきか？ どんなアクションを起こすべきか？ 自分のビジネスにとって何か使えるところはないか？ ということを常に考え続けているかどうか。
それはつまり、、
単なる消費者の目線で物事を見ているか。それとも、起業家の目線で日々物事を見ているか。この小さな意識の差が積み重なって、大きな違いを生むということです。そして、今回の事件について、この起業家目線、感度の高さで大きな差がつくという良い事例を見つけたので、ここで紹介しますね。
つい先日、インターネットのまとめサイトで発見したのですが、、この「ユナイテッド航空引きずり降ろし事件」を、いち早く、自分のビジネスへと絡めることによって、YouTubeの動画の再生数・知名度を全くの無料でドカンと伸ばした、アメリカの起業家がいます。
それが、この
グレイシー兄弟です。
彼らはアメリカのロサンゼルスで、「グレイシーユニバーシティ」という、グレイシー柔術を使った護身術のオンラインコースなどを販売しているそうです。
HPを見ると、、彼らのビジョンは、「世界で最も効果的な護身術のシステムを作ること、そして、それを世界中の人々へと広めることだ。」というふうに書かれていて、結構パッションを持ってビジネスに取り組んでいるのかなという様子が伺えます。
彼らはこのユナイテッド航空の事件を見たとき、おそらく、
これは自分たちのビジネスに結びつけることができる素晴らしい機会だ！ということに気づいたのでしょう… 彼らはすぐさま、このようなパロディ動画を作りYouTubeにアップしました。
「YouTube：UNITED Drag Defenses - 6 Techniques for EVERY Traveler!」より転載
そのタイトルは、
「ユナイテッドの引きずり降ろしから身を守る ー すべての旅行者のための6つのテクニック！」（笑） もうこの再現写真を見るだけで個人的には笑ってしまうのですが、、内容もかなり面白いです…
英語なのでざっくり流れを言うと、、
今回のユナイテッド航空の事件についておさらいをした後、被害にあった人が、僕たちの護身術のメソッドを知っていたらこんなことにはならなかっただろう…
そこで、それを防ぐための6つのテクニックを紹介します。（これはもちろん今回の事件だけじゃなく、強盗にあった時とか、日常の中でも護身術として使える方法です。）という流れで、護身術のテクニックを実演しながら紹介しています。
その6つのテクニックというのが、、
1つ目 反転して足蹴りしてかわす
2つ目 首を三角締めにする
3つ目 腕ひしぎ逆十字に持っていく
4つ目 もしあなたが子供なら、、両かかとを狙って転ばせる
5つ目 もしあなたがビジネスクラスにいるなら、トルネードスピン
6つ目 もしあなたがユナイテッドの従業員に席を譲るなら、これで眠らせて、その隙に飛行機から降りて逃げましょう
みたいな感じです。笑
そして、そのあとに、自分たちがやっているオンラインコースの宣伝を軽く入れて、メンバーになると今回のものだけではなく、こんなことを学べるよーということをさりげなく伝えています。
最後のシメがまた面白くて、、
「今回、引きずり降ろされたドクターを知ってる人がいたら、誰か連絡をください。彼には僕たちのフリートレーニングを提供します。」と言っています。なかなか気の利いたジョークですよね。笑
この動画は公開されて間もないうちに、あらゆるまとめサイトなどで取り上げられ、、すでに
30万回近い再生数を集めています。
たった2分程度の無料動画なのに、、これってすごい宣伝効果じゃないですか？ しかも、普通は売り込みの要素を入れた動画であれば、評価は下がりそうなものですが、、高評価 8,829 低評価 130と、、これは信じられないくらい評価が高いです。
「起業家目線」で、あなたは何に気付くべきか？
特に、ニュースサイトやまとめサイトだったり、テレビがどんどんその話題を流してくれている時は、
巨額の広告費にタダ乗りできるチャンスがあります。起業家目線で、人々の頭の中を占めていること、現在進行形で関心が向いていることを捉え、それをあなたのビジネスに繋げることはできないでしょうか？
今回のユナイテッド航空のケースでいくと、
レスポンスの方で山田さんが既に記事を書いていて、比較的いつもより高いクリック率を獲得していますし、少し前なら
トランプの選挙戦だったり、
ピコ太郎ブームについて僕が過去に書いた記事は、普段の約3倍以上のアクセスを獲得することができました。
また、最近社内で聞いた話なんですが、、今、台風のためにじゃがいもが不作になっていて、カルビー・湖池屋がポテトチップスの販売を中止すると発表したニュースがけっこう話題になっているそうです。
そこで、ある社内の広告運用の担当者が、人々の頭の中には「じゃがいも」っていうキーワードがあるから、それを取り入れた広告を作れないかということを考えて実際に取り入れてみたところ、、その広告が大ヒットした。なんて事例もありました。
あなたはどうでしょうか？
普段から起業家目線を持ち、気づきの感度を高めることを意識していますか？ 今回の事例でも、もちろん他の話題でもいいですが、、何かあなたのビジネスに結びつけられそうなことはないでしょうか？
この情報過多の時代、マーケティングでは「人々の注意をひく」というのが一番難しいテーマであり、最初の関門として我々の前に立ちはだかる壁です。そこを突破するための土台作りを、マスコミや大手企業が大金を積んで、あなたの代わりにやってくれているわけですから、、これを利用しない手はないですね。
萩原 敬大
