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有能な経営者にありがちな罠

2017.3.30 | ,
リッチ・シェフレン
ナビゲーターの中谷です。

出張続きでなかなか家に帰れなかったんですが、
久しぶりに家に帰ると、娘たちがmoveなる宇宙のビデオやプラネットアースという地球規模の動物の生態を紹介するテレビを見るようになっていて、母親に似たんだなーと嬉しく思っていたのですが、、、

また別の日に、家に帰ると
娘たちがテレビを見ていて、そこには町工場で職人が丁寧な仕事をしている映像が流れていました。中小零細の町工場のおっちゃんの技術を見ながら、彼女たちが何を感じていたのかは分かりませんが・・・その親父さんは職人らしくぶっきらぼうな感じで「この加工ができるのはうちぐらいやろうな」と、少し誇らしげに語っていました。。。でも、悲しいことにその工場は、事務所のソファーも穴が空いていたり、工場の中もサビだらけでとても利益を出して潤ってるようには見えない。誰にもできないような加工をするくらいの仕事をしているのに、、、

 

最高の仕事をしようとする日本人


町工場のおっちゃんと同じように、優れた技術や豊かな知識、そして豊富な経験を持った職人気質の日本人は、とても多いと思います。今の若い人達がどんな感覚なのかはわからないですけど、僕と同じかそれよりも前の世代の方々であれば「お天道さんが見てる」と言いながら、誰の目があるわけでもない環境であったとしても、手を抜かない丁寧な仕事をする人がまだまだ多い印象です。日本人は真面目だなんて言われて久しいと思いますが、いまだに世界でもこういった勤勉さは注目に値すると思います、、、しかし、

 

誰にとっての最高なのか?


ただ、冒頭でもお話した通り、そういった最高の仕事をしている人達が潤っているかというと、、、必ずしもそうではないですね。これは何も工場人に限った話じゃなくて、頭脳労働をしている人達も一緒。。。
正直に言って、自分の持ってる力の7割とか8割ぐらいの余裕のある感覚で仕事をしている人の方が、圧倒的に稼いでる感じがします。別に、そういった人達が手を抜いてるとか、出し惜しみしてるってことではありません。要するに、その最高の仕事って、誰にとっての最高なんですか?ってことが言いたいわけです。
そこで僕が思うに、恐らくですが日本人の多くは「自分にとっての最高」を求める傾向が強いんじゃないでしょうか?職人気質であるが故に、自分の仕事を極めようっていう感覚が強すぎるんじゃないかと感じることが多々あります。どうですか?あなたや、あなたの会社の従業員、あなたの外注先に、そういう感覚があるんじゃないかと思い当たりませんか?

 

大事なのは最高ではなく最適であること


僕も色んな経営者の方にお会いしてきましたが、有能な経営者の方というのは本当に多いと感じます。つまり、能力が高い人がほとんど。僕には足元にも及ばないと思えるぐらいの人達ばかりです。
でも、、、その人達が優秀な経営者として評価されているかと言われると、そうでもなかったりします。ここが悲しいところで、僕としては真面目で能力のある人達が報われて欲しいと思ってはいますが、世の中が評価するとは限らない。。。有能だからといって、ビジネスが好調で大きく稼いでいて、顧客に困ることがないってことでもないですね。むしろ、そういう有能な人の方が、仕事がパンパンになって忙しいのに稼げないっていう、苦しい状況に追い込まれてる気がします。なんとなく、真面目であることが仇になってしまってる感じです。。。
じゃあ逆に、うまくいってる優秀な経営者というのは、どういう感覚でやってるかと言うと、最高の仕事をしようというのではなく、最適な仕事をしようしてる感じです。要するに、自分にとっての最高を求めてるわけじゃなくて、彼らに話を聞いて思うのは、常に顧客にとっての最高を求めている、、、つまり、常に最適な仕事をしようと心がけてるんだと思います。

 

過剰になりすぎている


有能な経営者にありがちな罠というのは、誰にとっての最高かを見誤るという点です。その対象を自分にとっての最高としてしまうと、、、顧客にとっては過剰になってしまうことがあります。特に、日本人はクオリティに対してオーバークオリティになりがちな傾向があるので、ここは注意が必要ですね。場合によってはクオリティよりも納期を優先することが最適だったり、クオリティよりも量を優先することが最適だったり、あまり言いたくはないですけどクオリティよりもコストを優先することが最適だったりもするってこと。。。
だけど、その時に自分の力の7割から8割しか出せていないからといって、良い仕事ができてないと思う必要はありません。確かにあなたにとっては、不完全燃焼になってしまうのかもしれませんが、顧客が笑顔になってくれるなら、そっちの方が良いじゃないですか?というか、あなたにとって最高の仕事をしようとするのは、きっとお客さんの為ですよね?だったら、何も問題はないですね。
それに、きっと、そうやって最適な仕事をすることで満足してもらえる顧客を増やしていけば、必ずあなたにとっての最高の仕事を求める顧客も現れると思います。お客さんは、ちゃんとそういうところも見てくれてます。

有能なあなただからこそ、最高ではなく、最適な仕事を行うように心がけていただければなと、、、そう思います。

P.S.
もちろんのことですが、あなたにとっての最高の仕事を評価してくれるお客さんに巡り合うことだってあると思います。あくまでも一般論として、過剰にやり過ぎてヘトヘトになっているようなら、最適な仕事をする為に見直していただけたらなってことですので。。。

中谷佳正

リッチシェフレン
リッチ・シェフレン

グーグル、ヤフー、マイクロソフトなど、大手インターネット関連企業へのコンサルティングを行うネットマーケティングの第一人者。ビジネス戦略の構築を得意とする起業家で、マーケティングの世界で巨人と言われているダン・ケネディ、ジェイ・エイブラハムたちとパートナーシップを取り、指導を行っている。そんな経歴からリッチはグルズ・グル(Guru’s Guru = 先生たちの先生)と呼ばれる。

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