お盆の間に出した記事が、反響をいただけたようなので続編をご用意しました。もし、まだ前回の記事を読まれていない方は、ぜひ、前編を先にご覧ください。
先週の記事・・映画「ビリギャル」から学んだ”夢の叶え方”:前編では6つのステップをご紹介したので、今回はステップ7からです。それではいきますね。
「誰かの為に生きてこそ人生には価値がある」
By アルバート・アインシュタイン
前回、お伝えした前編のステップ4で、”ネガティブな感情をエネルギーに変える”というものがありました。もちろん、これは強力なのですが、、加えて、この人のために夢を叶えたい。この人を幸せにしてあげたい。そんな対象がいると、夢を叶えるためのより強いモチベーションになります。
「ビリギャル」のさやかちゃんの場合は、その対象が2人いました。
1人は、たとえ何があっても自分を守り、非行に走ったとしても自分を信じ、応援してくれる「母親」のため。父親は、弟を甲子園に行かせるために、ありったけのお金を使いました。でも、さやかちゃんやお母さんにはほとんどお金を使わず、慶應に行く。と行っても、そんなの無理に決まってる。と相手にしませんでした。
そんな中、母親はさやかちゃんの塾を週6日コースへとアップグレードするために、積み立てた定期・保険を解約し、足りない分は親戚に頭を下げてかき集めてくれました。それを知ったある日、さやかちゃんは涙を流し「この人のために頑張ろう…」そう決意したのです。
もう1人は、塾の坪田先生。ある日、学校の担任の先生と、塾の先生が喫茶店で面談する場面にさやかちゃんと塾仲間のれいじくんは出くわしました。
「あんなバカが、本当に慶應なんて行けると思ってるんですか? 恥かく前に諦めたらどうですか?」そんな風に言う担任の先生に対し、坪田先生は信念を貫きます。
「この世の中にダメな生徒はいない、ダメな指導者がいるだけだ。さやかちゃんはクズじゃない。可能性に溢れる、最高に素敵な女の子だ。」
これを聞いた2人は、絶対に俺たちは受かろう。先生のために頑張ろう。と、意思を硬くしたのです。
受験が近づき、少しモチベーションが下がり気味になってきていたさやかちゃんは、母親にあるお願いをします。それは、、自分が受験する慶應義塾大学を実際に見に行きたい。というものでした。
それまで写真やテレビでしか見たことがなかった慶應。そこに実際に足を踏み入れることで、イキイキとキャンパスライフを送っている学生たちの姿。その自信に満ち溢れた、とても楽しそうな表情を見ました。校内を歩き回り、学食でランチをすることで、ここの学生になったらこんな感じなのか〜。と、その空気を肌で感じたことで、さやかちゃんの慶應への想いはより一層強くなりました。
そして、それまでヘコんでいた気持ちは晴れ、絶対に夢を叶えてやる!と、いつしかやる気がみなぎっていたのです。
もしフェラーリが欲しいなら、手に入れるのを待たずに、実際に試乗に行けばいい。タワーマンションに住みたいなら、不動産屋に行って案内してもらったらいい。など、自己啓発の本・セミナーでは言われていますが、実際にそれを体験する、所有する経験を味わうと、その想いはより強く潜在意識に刻み込まれるそうです。
単なる写真で見るのではなく、真っ赤なフェラーリに乗り込む瞬間の気分。革張りのハンドルやシートの質感。骨まで響き渡るエンジンの音、新車の独特な香り… それを五感で味わうことで、よりリアルに実感できる。それを手に入れたい!という気持ちがより強くなるというのは、きっと体験してみれば納得できるはずです。
さやかちゃんの場合、最初はどの科目も圧倒的に知識が不足していましたが、途中で受けた模試の結果、英語の偏差値は60まで上がっていることがわかりました。「まだまだE判定だ…」と落ち込むさやかちゃんに、先生は、「英語が得意だよね。」ということを指摘し、英語は本番までにもっと磨き上げていこうと声をかけました。
これはビジネスでも同様で、リッチも自分の強みを見つけること。そして、その強みが最も活かせるビジネスを選び、弱みはできるだけ目立たない程度にカバーするということを中心的なコンセプトに据えています。どのようなことを目標にするにせよ、弱みに目を向けていては達成は難しいでしょう。自分の強みを見つけ、それを極限まで伸ばすことに集中することで、最も早く目標を達成することができるはずです。
「何事かを成し遂げるのは、強みによってである。弱みによって何かを行うことはできない。
できないことによって何かを行うことなど、到底できない。」
By ピーター・ドラッカー
「お前が慶應? そんなの無理無理。」
「お前みたいなアホが、慶應なんて受からんわ」
「そんなのやめとけ、どうせ口先だけだろ。」
さやかちゃんが最初、慶應に行く!と宣言した時、父親、学校の先生、友人のほとんどがこのような言葉を口にしました。でも、彼女はその批判を全て無視し、自分を信じて努力し続けました。最初はE判定で合格が絶望的と思われていましたが、ある時の模試でC判定を取ってから、、周りの態度は変わり始めました。
いつしか、学校の先生、友人、そして父親までもが応援し、協力してくれるようになり、最終的に彼女は合格を掴みました。あれほど「お前はアホだ。」と言っていた父親は、「今は、お前が我が家の希望だわ。」なんて言ってましたが。笑…なんとも人間というのは都合がいいもので、結果が出始めると急に態度が変わりますよね。
昔すごく好きだった人で、旅人であり、累計190万部を超える著者の高橋歩さんという方がいます。彼は20歳で大学を中退して仲間とアメリカンバーを起業し、借金まみれの状態まで追い込まれましたが、その店を2年で4店舗へと拡大することに成功しました。
その後、バーの経営権を手放し、出版社を始めましたが、またしても3000万円の借金を背負うことに。ギリギリの状態からヒット作を連発し、成功へと導きます。その後も、ニューヨークやバリ、ジャマイカにバーをオープンしたり、インドに学校を作ったり、NPO法人を立ち上げるなど、多彩なフィールドで活躍されています。
そんな彼が言っていた言葉で、今でも僕の頭に残っている印象的な言葉があります。ちょっと引用しますね。
”「人生は、楽しむためにある。 ハタチで大学を中退してから、20年間。世の中のくだらない常識に中指を立て、くそったれの貧乏を笑い飛ばしながら、いつも、脳みそがスパークするままに、大好きなことに熱中してきた。
苦しい時期が続いても心配はいらない。 成功するまでやれば、必ず成功するのだから、ただ、やめずに頑張り抜くのみ。 そして、目に見える結果が出てきた途端、すべては変わる。 周りからの評価は、180度転換する。
失敗は、「経験」とよばれ、わがままは「こだわり」と呼ばれ、自己満足は、「オリジナル」と呼ばれ、意味不明は、「斬新」と呼ばれ、協調性のなさは、「個性」と呼ばれるようになる。
周囲の反応に右往左往することなく、自分にとって大切なものだけを、ギュッと抱きしめて。自分の心の真ん中にある何かを信じ、表現を続けるすべての人へ。 心からのエールを送ります。
たった一度の人生。好きなことやんないで、何やんだよ。 」”
「ファミリー・ジプシー 家族で世界一周しながら綴った旅ノート」著:高橋歩より引用
すごく的を射ている上に、、最後の一文、めちゃくちゃシビれませんか? おそらく、すでに起業家として独立されている方も、これから独立を考えている方も、何かチャレンジをすると言った瞬間、親、家族、友人、上司、同僚など…ほとんどの人が批判や反対をしてくる。そんな経験を味わっていることでしょう。
でも、それであなたが夢を諦めたからといって、その人たちは責任を取ってくれるわけではありません。人が死ぬ時に口にする後悔のナンバーワンは何か? それは、、「もっと自分らしく生きればよかった。」ということだそうです。皮肉なことに、これまでの人生で”やってみて失敗したこと”ではなく、”やらなくて諦めてしまった”ことなのです…
”「良識的な人間は現実に適合する。傍若無人な者は世界を自分に適合させようとする。従って、あらゆる進歩は傍若無人な者のおかげなのだ」”
By ジョージ・バーナード・ショー
リッチ・シェフレンはこの言葉をとてもよく引用するんですが、ビジネスだけでなく、どのような世界であっても最も大きな成功を収める人間は、例外なく傍若無人な人だといいます。
社会のほとんどの人間が無意識のうちに自分自身に課しているルールに、彼らは従わず、単純に自分がしたいことをします。そしてその行動の責任を負いながらも、心から楽しむのです。自分が求める世界を得るには、何にも邪魔させてはならない。そんな風にリッチは言っています。
例えば、、まだこの世に存在すらしておらず、作れそうにないとさえ思えたオペレーション・システムを売ろうとしたビル・ゲイツの行動はかなり傍若無人なものですが、彼はそれをやってのけ、会社を成長させました。
前面のスクリーンはすべてガラス。ボタンは1つもついていない携帯電話を作る。そんなスティーブ・ジョブズの構想は、当時はまったくの常識外れで、多くの人が無理だと言いました。しかし実際にはそれが実現し、iPhoneは世界を席巻しました。あらゆる進歩は、このように傍若無人な人たちのおかげなのです…
またまた、だいぶ長くなってしまいましたが、、最後のまとめをして終わりにします。
映画「ビリギャル」から学んだ”夢の叶え方”。その全ステップは、、
ステップ1:適切な目標設定
ステップ2:夢(目標)を紙に書く
ステップ3:宣言する
ステップ4: ネガティブな感情をエネルギーに変える
ステップ5: 日々、ちょっとした進歩・成長に気づく
ステップ6: 同じ夢を持つ仲間を作る
ステップ7:誰かのために頑張る
ステップ8:先に体験する
ステップ9:強みを伸ばす
ステップ10:批判を無視する
こちらの10個のステップです。
ぜひ、自分を信じて、あなたの夢を実現に導いてください。
萩原 敬大
PS. <おまけ>
この映画:「ビリギャル」には、もうひとつ見所が隠されています。この映画の主人公はさやかちゃんの合格までのストーリーですが、全体を通して、父親と母親の対応が、まるで北風と太陽のように好対象になっています。
この二人の対応を通して、「社員や部下を育てる時の正しい接し方と、やってはいけない接し方。」を学ぶことができるので、ぜひ、そのような観点からも観てみてくださいね。
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